鉄路を駆ける日々

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JR「一筆書ききっぷ」でお得に旅行!発券方法と活用例3選

※(2020/5/26更新)事実誤認を訂正

なぜ安い?

JRの運賃は「遠くに行くほど高くなる」のが大原則です。ただ、たくさん乗ってくれる人には割引があります。短い区間を何回も乗れば定期券や回数券で安くなるのと同じように、1回でも遠くまで乗ってくれる人には1kmあたりの運賃(賃率)が下がるようになっています。したがって行きと帰りで別のルートを通って長い片道扱いにすれば、同じ移動距離でもトータルの運賃が下げられる、というカラクリです。

 

どんな区間で使える?

何箇所かを回る周遊旅行ではその効果は絶大ですが、単なる往復でも以下の条件を満たせば使い道があります。

1.目的地まで複数のルートで行ける

「行きも帰りも東海道新幹線」では一筆書きになりません。「東海道新幹線でも、北陸新幹線でも普通に行ける」目的地を選びましょう。

2.片道200kmから600kmぐらい

長距離のきっぷが安くなり始めるのが300kmからです。往復分を1枚の片道きっぷで賄うことを考えると目的地までの距離はだいたい300km以上でないといけません。

ただあまりにも遠距離だと別なルートで帰るのが困難な上、600km以上の区間を往復セットで買えば1割引になる往復割引制度が使えるのでそれほど旨味はありません。

 

お得な活用例

1.東京〜福井

米原で東海道新幹線と特急しらさぎを乗り継ぐルートと、金沢で北陸新幹線と特急サンダーバードを乗り継ぐルートがあり、このうち前者で往復する場合を考えます。

  • 乗車券:東京⇄福井(米原経由) 17,820円
  • 特急券1:東京→米原 4,620円
  • 特急券2:米原→福井 600円
  • 特急券3:福井→米原 600円
  • 特急券4:米原→東京 4,620円

合計で28,260円となります。

一方乗車券を一筆書きとして特急券を買い足すと…

  • 乗車券:東京→東京(金沢・福井・米原経由) 13,200円
  • 特急券1:東京→金沢 6,370円
  • 特急券2:金沢→福井 600円
  • 特急券3:福井→米原:600円
  • 特急券4:米原→東京:4,620円

合計で25,390円となり、2,870円の節約となります。

なおこの使い方はJR西日本が公式にPRしていて、特に福井周辺では一般への知名度もあるようです。

 

2.東京〜酒田

新潟で上越新幹線と特急いなほを乗り継ぐルートと、新庄で山形新幹線と陸羽西線を乗り継ぐルートがあります。

  • 乗車券:東京⇄酒田(新潟経由) 16,720円
  • 特急券1:東京→新潟 4,510円
  • 特急券2:新潟→酒田 880円
  • 特急券3:酒田→新潟 880円
  • 特急券4:新潟→東京 4,510円

合計で27,500円となります。

一方乗車券を一筆書きにすると…

  • 乗車券1:東京→大宮(新庄・余目・新潟経由) 12,210円
  • 乗車券2:余目→酒田 240円
  • 乗車券3:酒田→余目 240円
  • 乗車券4:大宮→東京 570円
  • 特急券1:東京→新庄 5,040円
  • 特急券2:酒田→新潟 880円
  • 特急券3:新潟→東京 4,510円

合計で23,690円となり、3,810円も節約できます!

これまでと違うのは、完全な一筆書きではなくはみ出す部分を買い足している点です。新庄→酒田→新潟とすると分岐点の余目〜酒田間が重複してしまうので、余目〜酒田間は別に買っています。また帰路は大宮で行きのルートにぶつかるので、大宮から東京へも別に買うこととなります*1。このように「メインの長距離きっぷ+足を伸ばす短距離きっぷ」という発想は安くで周遊するために大事な考え方です。

 

3.東京〜京都+金沢観光(周遊旅行)

東海道新幹線で京都を往復するのとほぼ同じ値段で北陸新幹線に乗って金沢も観光でき、開業時にはメディアでももてはやされたルートです。

 

他にも東京〜高山(名古屋経由と富山経由)など活用できる区間はあります。

*1:玄人向け:一筆書ききっぷは大宮より北の北上尾までにして、そこから東京まで北浦和・東十条で区切って買うと最安値