鉄路を駆ける日々

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【仕事・車観光にも】京成線「成田開運きっぷ」の意外な活用法。成田市街・新勝寺に行くなら要検討

※このきっぷは「成田空港」ではなく「成田市中心部」に行くためのきっぷです。東京都心から成田空港へは東京駅八重洲口から格安高速バスで行く(片道1,000円)か、金券ショップで京成線の株主優待乗車券を購入する(片道950円前後?)のが安くなります。

 

1.「成田開運きっぷ」のここがスゴい!

  1. 「乗車駅〜京成成田駅の往復乗車券」と「現地の対象施設の優待特典」がセット
  2. 単純に往復するより安い

他の鉄道会社でよくある観光用のフリーきっぷはだいたい現地の交通機関なり食事なり施設利用なりが含まれますが、成田開運きっぷは単純往復と現地での特典(無料で食べられる/入れるわけではない)しか入ってません。そのおかげで普通にパスモで往復するよりも安くなります。この記事では、この切符の特徴を活かしてお得な移動を実現する方法をご紹介していきます。

2.お得な活用法4選

2.1.近くの駅に駐車して快適に新勝寺参拝

成田山新勝寺に車で参拝しようとすると、通常は東関東道の成田ICで降りて新勝寺周辺の駐車場に止めることになりますが、周辺は道が狭い上に駐車料金もやや高めです。さらに年末年始になると、新勝寺初詣のラッシュと成田空港の出入国ラッシュ*1が重なって駐車場の確保は困難になります。

そこでこの切符の出番です。東京方面からの成田観光のためにあるこの切符ですが、実は成田市内の駅でも発売されていて、例えば京成成田駅の一つ東京寄りの公津の杜駅発着だとたったの260円で買えてしまいます。これを活用し、東関東道を一つ手前の富里ICで降りて公津の杜周辺に駐車し、そこから開運切符で新勝寺へ向かえば道路混雑を回避できます。

仮に東京から2人で訪れる場合*2

<新勝寺周辺に駐車>

高速料金2,170円×2+駐車料金800円=5,140円

<開運きっぷを活用>

高速料金2,000円×2+駐車料金600円+開運きっぷ260円×2=5,120円(▲20円)

となり、僅かながら節約になるのみならず、新勝寺周辺の道路混雑を回避し、更に開運きっぷの提示で食事やお土産を買う際に特典が付きます。混雑期には十分選択肢に入るでしょう。

2.2.成田市への出張を安くする

開運きっぷの利用目的は観光でなくても構いません。仕事で成田市を訪れる際もこの切符を利用すれば少しだけ安く上げることができます。

例えば京成上野駅から乗車する場合、

<パスモで乗車>

運賃849円×2=1,698円

<開運きっぷを活用>

開運きっぷ1,480円(▲218円)

飲み物2本分が浮く計算になります。

2.3.成田への最安値を究める

京成線は上野と押上から出ていて、例えば上野からだと往復1,480円になります。これだけでも十分安いのですが、もっと安くする方法を考えてみます。

京成沿線に住んでいるならともかく、多くの方は京成線の駅まで別な電車で移動することとなるはずです。そこで考えうるのは東京メトロ東西線の活用です。東西線は都心を飛び出して千葉県の西船橋駅まで伸びていて、ずっと乗ってても運賃があまり上がらないお財布に優しい路線です。東京側の駅から西船橋までメトロで移動し、西船橋駅のすぐ近く*3の京成西船駅から開運きっぷを利用すると最安値で移動できます。

例えば渋谷駅から出発する場合、

<上野から京成線>

上野までメトロ運賃199円×2+開運きっぷ1,480円=1,878円

<西船橋から京成線>

西船橋までメトロ運賃283円×2+開運きっぷ920円=1,486円(▲392円)

1人400円近く安くなり、更にまっすぐ東に向かうルートになるので所要時間は大きく変わりません。とはいえ、西船橋の乗り換えがやや遠いのと、京成西船には成田方面の特急列車が止まらないので途中でもう1回乗り継ぎが必要になるため、かなり面倒なルートなのは事実です。これはどうしても安く行きたい方向けでしょうか。

ちなみに東京メトロの回数券は金券ショップでバラ売りされていて、最も安い土休日用回数券だと283円区間用が1枚230円ほどで売られています。ここまでセットにすれば都心から1300円台で往復できます。

3.成田開運きっぷの落とし穴

普通に使う分にはお得なきっぷですが、注意点が3点あります。

まずこのきっぷは購入当日のみ有効ということ。成田に駐車して飛行機で泊まりの旅行に出かけるのに使ったり、近くの駅で前の日に買っておくのはできません。

次に直通列車に乗る時の注意点。京成線は押上で都営浅草線やその先の京急線と直通していますが、開運きっぷは京成線を最初に乗り始める駅でしか買えません。つまり、都営日本橋駅や京急蒲田駅から京成線直通に乗ってそのまま成田まで行ってしまうとこのきっぷは買えません。面倒でも一度境目の押上駅で降りて外の券売機に向かってください。

最後に、「成田スカイアクセス線」の「成田空港」行きの列車は京成成田駅には止まりません。空港ゆきの「スカイライナー」や「アクセス特急」では成田駅には行けないので、同じ空港ゆきでも単なる「特急」「快速特急」「快速」に乗りましょう。

ちなみに京成線の特急列車は普通の通勤電車で、特急料金は取られません。別料金がかかるのは空港に直行するスカイライナーだけです。

 

京成線公式サイトはこちら。

www.keisei.co.jp

 

*1:割高な空港の駐車場を嫌って成田駅周辺に駐車して電車で空港に向かう利用があるそうです

*2:2021年1月1日の料金。首都高霞ヶ関ランプを出発点とし、京葉道路、宮野木JCT経由で、ETC料金で計算。駐車料金はそれぞれ最大料金の相場。

*3:徒歩6分程度