鉄路を駆ける日々

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【保存版】定期利用者が贈る田園都市線朝ラッシュ混雑回避&座る方法ガイド!通勤で使うなら必見

私が田園都市線の混雑に揉まれ続けて得た経験と知識を総動員し、ラッシュ時の混雑状況回避テクニックをご紹介します。これから田園都市線で通勤通学される方は是非ご一読下さい。

※(2019.3.10更新)田園都市線などのダイヤ改正を反映

※(2019.11.27更新)情報を追加・修正

※(2020/4/15更新)小田急線のダイヤ改正を反映

0.田園都市線の基礎知識

  • 田園都市線の電車は速い順に急行準急各駅停車(各停)3種類
  • 急行は朝ラッシュのピークには走っていない
  • 大井町」行き以外は全て渋谷に直通、ほとんどの電車は更に地下鉄半蔵門線にも直通

1.朝ラッシュに走る電車とその乗り方

朝ラッシュ時(渋谷7:42〜8:56着)には、

準急各駅停車→…

が4分半に1回繰り返されます。つまり全部合わせて約2分に1本電車が来ます。

  • 「溝の口」までは準急より各駅停車が空いている
  • しかし、「二子玉川」より先はほとんど変わらない(むしろ場合によっては逆転)
  • 鷺沼より西側の各駅(中央林間・長津田・あざみ野など)では、できるだけ早く準急に乗(り換え)ると一番速い
  • 宮前平より都心側の各駅(溝の口・二子玉川・三軒茶屋など)では、来た電車で最後まで行くのが一番速い*1
  • 準急のほとんどは長津田始発なので、中央林間からは乗れない*2

1.1.詳しい混雑状況は?

混雑の山は「溝の口」手前と「渋谷」手前。

1.1.1.準急の混雑傾向
  • 始発の「長津田」で座席とドア横が埋まる
  • 「青葉台」で座席前のポジションは埋まり、ドア付近にもそこそこ乗る
  • 「鷺沼」から「溝の口」までは満員
  • 「溝の口」で少し減る(座っている人も2,3割降りる)が「二子玉川」でほぼ元どおり
  • 特に「三軒茶屋」からは超満員!スマホを使うも厳しい
  • 「渋谷」でそこそこ降りる(座っている人も3割降りる)がまだまだ混雑
  • 「永田町」以降は楽々
1.1.2.各駅停車の混雑傾向
  • 始発の「中央林間」でだいたい席は埋まる
  • 右側のドアを中心に立ち客が増えて「長津田」で減る
  • 「鷺沼」までは遅い代わりに空いている、「市が尾」「あざみ野」「鷺沼」などでやや降車あり(これを逃すと着席は難しい)
  • 「宮前平」から混雑感が強まり「梶が谷」で満員
  • 「溝の口」で少し減るが「二子玉川」でほぼ元どおり
  • これ以降は準急とほぼ同じで「三軒茶屋」から超満員

1.2.どちらのドアが開くか

<ピーク時の準急の場合>

  • 長津田〜たまプラーザ:ずっと左
  • 鷺沼・溝の口・二子玉川:
  • 用賀〜池尻大橋:ずっと左(駒沢大学以外)
  • 渋谷:
  • 表参道〜半蔵門線内:左(九段下以外)

溝の口と渋谷では右側が開くので、鷺沼と駒沢大学から最後に乗れば最初に降りれます。他の駅から乗る際は乗り降りの邪魔にならないようにドア前を死守するのはやめましょう。

 

2.朝ラッシュ時に空いている場所・電車

東急HPで時間別の混雑状況が見られます。以下は私の感覚によるものなのでHPの方が正確です。

2.1.空いている車両
  • 10号車(女性専用車)・9号車
  • 2号車

利用者のとても多い渋谷駅のメイン階段*3が4,5号車と8号車付近にあるので、そこから離れた場所が空いています。

2.2.空いている電車
  • 鷺沼始発の各停
  • 半蔵門止まりの各停(渋谷7時17分着)←市が尾あたりまでは座れるかも
  • 朝の最初の準急(渋谷7時47分着)
  • 7時20分までに渋谷に着く電車(乗客はまだ少ないのにピーク並みの本数が走っているため)
2.3.混んでいる電車
  • ピーク前最後の急行(渋谷7時40分着)*4
  • ピーク後すぐの急行(主に渋谷8時58分、9時3分、10分着)*5
  • 8時から8時半の間に渋谷に着く電車

 

3.朝ラッシュ時に座って行く方法

3.1.並べば座れる始発電車!

田園都市線では、始発駅の中央林間のほか、電車の車庫のある長津田と鷺沼から始発電車(=空っぽで入ってくる電車)が出ています。早めに並べば座って行けます。

3.1.1.長津田始発
  • ピーク時の準急の大半は長津田始発
  • ピーク前の早朝に走る急行も約半数が長津田始発
  • 各駅停車にも始発電車あり
  • 急行・準急も出発15分前までに並べばほぼ座れる
  • 準急にも時々中央林間始発が混ざってるので注意
  • 6時7分には始発の大井町行き急行あり

これだけ充実しているので、ここでは詳細な時刻は省略します。Yahoo!路線でご確認下さい。

3.1.2.鷺沼始発
  • 早朝の一部の各駅停車が鷺沼始発
  • 急行・準急の始発はない
  • 半数は大井町行き
  • 出発5分前までに並べばほぼ座れる
  • 渋谷方面は3番線の「始発電車」専用の列に並ぶ

<時刻表>

渋谷方面:5:01/5:52/6:06/6:15/6:22

大井町方面:5:00/5:09/5:21/5:38/6:01

3.1.3.溝の口から始発の大井町線に座る

大井町線の電車はほとんど全て溝の口始発となるので、座って行くことはできますが渋谷方面には行けません

  • ピーク時には約3分に1本の始発電車
  • 9分に1本の急行は1本前が出た頃に並べばほぼ座れる
  • 9分に2本の各駅停車5分前までに並べばほぼ座れる
  • 3番線の「先発」「後発」「後後発」列を守る(最初の電車、2番目、3番目という意味)
  • 6両目、7両目には急行の乗車列しかないので注意
  • 上記の通り鷺沼始発の各停や長津田始発の急行もある

なお、最近では大井町線の急行は田園都市線に引けを取らないほど混んでいるので、溝の口で座れなければ迂回路としてはお勧めできません。大岡山乗換の目黒線(10年ほど前に東急が推奨していた迂回ルート)、大井町乗換の京浜東北線もかなりの混雑なので田園都市線に乗り続けた方がまだマシです。

3.2.お金で解決!必ず座れる高速バスで都心に直行!

残念ながら朝の田園都市線には通勤ライナーや指定席はありません(最早走らせる余裕がないほどの過密状態)。しかし、田園都市線に並行する東名高速道路を走る高速バスを使えば、ゆったり着席して都心に直行できます。

<メリット>

  • 絶対座れる
  • 新宿や東京駅まで直通
  • 住宅地から直接乗れる

<デメリット>

  • 時間は渋滞に左右される
  • 運賃が高く定期券がない

田園都市線沿線から利用できるのは、東急バスが沿線の住宅地と渋谷の間に運行している「Tokyu E-liner」、御殿場や箱根と新宿を結ぶ「小田急箱根高速バス」と、静岡や名古屋と霞が関、東京駅を結ぶ「東名ハイウェイバス」の3路線です。

3.2.1.Tokyu E-liner
  • 渋谷まで直行!
  • 虹ヶ丘すすき野美しが丘などの住宅地のバス停から乗れる
  • 全席自由・予約不要
  • 片道620円(ICカードが無ければ+100円)
  • 予約できず、バスが来ても満席だと乗れない
  • 車内にトイレはなく、一部の座席は倒れない
  • 始発は虹ヶ丘なので遅延は少なめ
  • 平日しか走らない
3.2.2.小田急箱根高速バス
  • 新宿まで直行!!←メリット大
  • 東名江田・東名向ヶ丘に停車*6
  • 全席指定・要予約(チケットレス可)
  • 片道520円(向ヶ丘は460円)
  • 車内にトイレあり
  • ほぼ一日中30分毎に運行
  • 御殿場や箱根から来るので遅延が多め

裏返して言えば、これらのバス停に行けば乗り換え無しで箱根に行けるということです。週末のお出かけには便利です。

3.2.3.東名ハイウェイバス
  • 霞が関・東京駅まで直行!!*7←メリット大
  • 東名江田・東名向ヶ丘に停車*8
  • 全席指定・要予約(チケットレス可)
  • 片道520円(向ヶ丘は460円)
  • 車内にトイレあり
  • 最もゆったりした座席
  • 朝ラッシュ時は1便のみ
  • 静岡から来るので遅延が多め

これもまた同様に、これらのバス停からは乗り換え無しで静岡や名古屋*9まで行けるということです。お出かけの際は活用しましょう。また、東名江田にはこの他にも数多くの路線が停車しますが、この2路線以外江田と東京都心の間のみの利用はできません。

東名江田バス停の位置はこちら(あざみ野駅から約0.9km、江田駅から約1.1km)。「荏田町」「あざみ野南」といった地域にお住まいであれば、駅よりもバス停が近いかもしれません。

東名向ヶ丘バス停の位置はこちら(宮前平駅から約1.7km)。「南平台」「白幡台」「」「土橋」「犬蔵」といった地域にお住まいであれば、駅よりもバス停が近いかもしれません。また、先述のE-linerの犬蔵バス停から約1.1kmしか離れていないので、両方使える方もいらっしゃるかもしれません。

3.3.歩く/路線バスに乗る(三軒茶屋〜池尻大橋用)

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東急も遂に奥の手を繰り出しました。田園都市線の定期を持っていれば、最混雑区間の三軒茶屋〜渋谷間で地上を走る路線バスにも乗車できるようになりました。混雑するとはいえ電車よりはややマシでしょう。またバスはいろんなところに止まるので、三軒茶屋・池尻大橋周辺にお住まいであれば歩く距離が短くて済みます。渋谷側では道玄坂上でも降りられるので、目的地によっては地下深い渋谷駅から歩いて行くよりはラクかもしれません。

なお、バスの利用には予め定期券窓口でバス乗車券の受け取りが必要です。また予告なく終了する可能性もあります。詳しくはこちら(東急HP)。

さらに、2019年秋には池尻大橋から渋谷まで徒歩移動するとクーポンが貰えるキャンペーンも行われました。ゆっくり歩いても15分〜20分ほどで着くので、地下に降りて混雑する電車に乗るくらいなら歩いた方が速くて快適かもしれません。

3.4.各停の入れ替わりを狙う(最ピーク以外)

急行・準急は厳しいものの、各停なら途中で降りる人もそこそこいます。例えば市が尾前後では8時以降を中心に降車が多く(体感では青葉台〜あざみ野間でざっと3分の1〜半分くらいの席が入れ替わります)、渋谷に9時以降(or7時頃まで)で間に合うなら長津田や中央林間でなくとも座って通える可能性があります。

番外編:並行する小田急線・特急ロマンスカーの利用

田園都市線の混雑に絶望してしまった場合でも、並行する小田急で通勤するという選択肢があります。特に「砧」「菅生」「美しが丘」「すすき野」のような地域は小田急と田園都市線の真ん中に位置しているので、むしろ目的地によっては小田急の方が便利かもしれません。小田急は複々線化工事で線路が2倍に増えたばかりなので速くて空いている上、有料の特急ロマンスカーなら必ず座って行くことができます。また田園都市線とは違って基本新宿まで直通する(都心へは地下鉄千代田線直通列車もあります)上、帰りは新宿で並べば座れるという大きなメリットがあります。

小田急の途中始発列車時刻表(田園都市線沿線地域を抜粋)

相模大野始発…4:45/6:59[C]

新百合ヶ丘始発…4:50

向ヶ丘遊園始発…5:22/6:19/7:00/7:09[A]/7:22[A]/7:33[A]/7:43[A]/7:53[A]/8:03[A]/8:13[A]/8:36/9:00[B]

成城学園前始発…4:53/6:01[D]/6:09/6:35[A]/6:57[C]/7:17[C]/8:43[B]/8:50[A]/9:00[B]

経堂始発…4:49

  • 無印の電車は新宿行の各駅停車。
  • 記号の付いた電車は全て地下鉄千代田線直通(=表参道・霞ヶ関・大手町直通)で、スピードの順にA各駅停車、Bは準急、Cは通勤準急D急行、E快速急行

実用的なのは向ヶ丘遊園成城学園前でしょうか。特にピーク時の向ヶ丘遊園始発列車はかなり空いていて、運が良ければ次の登戸から座れることもあるとかないとか…もし小田急と田園都市線の真ん中あたりにお住まいであればそちらの利用も検討してみて下さい。

特急ロマンスカーの時刻表

相模大野:5:57/6:12/6:44/8:55

町田:6:01/6:16/6:26/6:44[A]/8:24/8:33[A]

新百合ヶ丘:6:09/6:24/9:07

  • A地下鉄千代田線直通(=表参道・霞ヶ関・大手町直通)。それ以外は新宿行き。
  • 料金は新宿まで420円、千代田線までは620円
  • 特急券は1ヶ月前から発売開始。発車直前まで買えるが、ピーク近くの便は早くに満席になるのでロマンスカー@クラブで早めの購入がおすすめ。

混雑とは無縁の空間が僅か420円で買えるのであれば安いですね。おまけに最新の車両なら全席に電源と無料Wi-Fiがあります。

小田急の混雑傾向
  • 快速急行は田園都市線に負けない超満員なので絶対に避けよう!(特に「新百合ヶ丘」より都心側)。迂回する意味がありません…
  • 通勤急行は「成城学園前」から満員通勤準急は「経堂」から満員(ただし田園都市線よりはマシ)
  • 各駅停車は新宿行きより千代田線直通の方が空いている(どちらも余裕あり)

小田急線は普段から混雑回避に有用であるのみならず、田園都市線が運転を見合わせた際には東横線と並んで重要な迂回路線になります*10。正しい利用テクニックを身につけて上手に使い分けましょう。

4.ラッシュ時の運行トラブルの傾向は?

いくら混雑を避ける方法を身につけたとしても、電車が遅れれば台無しです。ここでは、田園都市線に起きやすい運行トラブルとその影響を考えていきます。

4.1.田園都市線に多いトラブル

4.1.1.乗客間トラブル

見知らぬ他人と密着して過ごさざるを得ないラッシュ時には、乗客間の言い争いや小競り合いが頻発します。車掌に通報が行けば周辺の電車もろとも一度運転をストップします。

運転再開までの目安時間…10分

4.1.2.急病人救護

田園都市線には日本有数の高性能エアコンや空気清浄機までも付いてますが、それでもラッシュ時の圧倒的な人口密度の前には無力で、車内は常に蒸し風呂状態です。耐えきれずに乗客が車内で倒れてしまうと、駅員や車掌が救護を行うまで電車は動けません。かつては乗客が酸欠で倒れて救急搬送されたこともあったそうで…

運転再開までの目安時間…5分

4.1.3.車両故障

オレンジ色の電車は割と頻繁に故障します。一度線路を塞いでしまうと、復旧するか他の電車に押されて移動するまで動けません。そしてもし自分が乗っている電車が故障したら、再開するまでは基本外に出られません。

運転再開までの目安時間…45分

4.1.4.荷物挟まり

押し屋の尽力によって辛うじて全員乗り切れている現状では、ドア近くの乗客の服やバッグが開くドアと共に引き込まれてしまいます。引き戻すまでに数分取られ、その間に来た乗客も加わって更に混んでしまいます。

運転再開までの目安時間…5分

4.2.田園都市線に少ないトラブル

4.2.1.人身事故・踏切事故

田園都市線は比較的新しい路線で、最初から都市計画がしっかりと行われていたので、踏切が一つもありません*11。他の路線では踏切内で車が立ち往生して運行停止してしまうケースが多いものの、田園都市線はそのようなトラブルとは無縁です。それに加え田園都市線の全駅にホームドアが設置されているので人身事故はかなり少ないです(ゼロではない)。これは東急の努力の賜物ですね。

4.2.2.悪天候による運転見合わせ

近年急増した豪雨強風ですが、徐行することはあっても完全に運転を中止することはあまり多くないように思います。ただし徐行するだけでもかなりダイヤは乱れ、電車は混雑しますので不要不急な外出は控えましょう。 

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以上、「朝ラッシュ時の田園都市線の混雑回避ガイド」でした。本日もご覧下さいましてありがとうございました。

*1:宮前平・宮崎台・梶が谷の各駅は、梶が谷で追い抜いて行く準急に乗る術がありません

*2:7:13から8:13まで1時間近くの間各駅停車しか来ません

*3:ハチ公口への出口に一番近いところです

*4:二子玉川から先の乗り降りが鬱陶しいと感じる客が多いようです。事実、大半の乗車間トラブルは停車する前後に起こります

*5:準急を嫌う利用者の存在に加え、直前の時間帯と比べて運転間隔が倍に広がるので、最初のみならず以降数本の急行の混雑は侮れません

*6:超特急便は止まらない

*7:帰りは霞が関には止まりません

*8:超特急便は向ヶ丘を通過します

*9:向ヶ丘と名古屋を直通する便はありません

*10:その際は殆どの電車が超満員となりますが致し方ないでしょう

*11:かつて1箇所のみありました