鉄路を駆ける日々

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【大回り乗車】旅気分を味わえるおすすめ路線まとめ【関東エリア】

“大回り乗車”を活用すれば安い運賃でさまざまな路線に乗ることができます。ただ、”乗りつぶし”が目的でない限り、自由過ぎてどこに行けば良いのかわからなくなってしまいます。逆に、「景色が綺麗だから◯◯線に乗りたい!」と思っても、対象区間に入っていなかったり一筆書きできなかったりして乗れないということもあります。そこでこの記事では、首都圏の多くの駅から一筆書きのルートで乗れる範囲内で、「美しい車窓が見たい!」といった”目的”に合わせてぴったりな路線を提案します。あなたの”大回り乗車”にお役立てください。

※このサイトの情報を利用した際に生じた如何なる不利益に対しても私は責任は負いかねます。

 

<目次からお好きな項目をお選び下さい>

美しい車窓を見たい

海を見たい

おすすめ路線:内房線・外房線

見どころ:上総湊〜安房鴨川〜御宿

“大回り乗車"の中で海が見える区間は限られています。房総半島の海岸線を辿る内房線と外房線からは、トンネルの合間から美しい海岸線を眺めることができます。特に内房線の江見〜太海間の山生橋梁からはまるで海の上を走っているかのような太平洋の景色が一面に広がります。昼間の景色も良いですが、海に沈む夕陽もまた素晴らしいです。

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<画像>外房線勝浦〜鵜原間の車窓

紅葉を見たい

おすすめ路線:八高線

見どころ:小川町〜寄居

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“大回り乗車"では関東平野から出られないので、深い山中を旅することはできません。それでも、八高線のうち秩父山地を掠める区間では山里の風情ある紅葉を眺めることができます。ハイライトは寄居駅の南にある荒川橋梁で、両岸に色づいた木々が立ち並ぶ景色は味わい深いものです。

都心の風景を見たい

おすすめ路線:上野東京ライン

見どころ:上野〜東京

2015年に開業したばかりの上野東京ラインは、用地節約のため南半分は新幹線の高架線の更に上に継ぎ足されて建設されました。そのため高い線路から神田のビル群が一望できる意外な絶景(?)路線となっています。ただ、線路脇に壁があってグリーン車の1階からは壁しか見えないので、2階席から眺めるのがベストです。

※グリーン車に乗るにはグリーン券が必要です。十分な残高のあるSuicaやPASMOまたはモバイルSuicaがあれば乗車直前でもホームで買えます。

富士山を見たい

おすすめ路線:中央線快速

見どころ:三鷹〜立川

“大回り乗車”では静岡や山梨には行けませんが、中央線の三鷹〜立川間の高架線では、下り列車の向かって左手に小さいながらもはっきりと富士山を見ることができます。確実に見たい方には冬の晴れの日の朝がおすすめですが、それ以外の日にも見えることがあります。

※国分寺〜西国分寺間で一度地上に降りるのでその間は見えません。


鉄道を楽しみたい

スピード感を味わいたい

おすすめ路線:横須賀線

見どころ:新橋〜横浜

横須賀線や総武線快速などを走るE217系は長期に渡り高速運転を続け酷使されてきたため、数あるJRの車両の中でもかなり”頑張って走っている”車両だと思います(主観)。そんなE217系が一番スピードを出すのは新橋と横浜の間です。新橋から品川までは速度こそ控えめですが、地下トンネルを高速で走るので迫力があります。そして品川を出ると並走する東海道新幹線に負けじと(?)甲高いモーター音を響かせ車体を大きく揺らして疾走します。その最高速度は120km/hと、南の東海道線やデッドヒートを繰り広げる京急に相当します。思わず応援したくなるような熱い走りは、鉄道ファンなら一度は体験しておきたいものです。

※純粋に最高速度だけを見るなら、130km/hまで出せる総武線の特急常磐線の特急・特別快速の方が上回ります。

※この区間は日本第3位の超混雑区間です。ラッシュ時に乗る際は特に注意して下さい。満員の乗客を乗せて精一杯スピードを出す電車に感謝しましょう。

新幹線を見たい

おすすめ路線:埼京線

見どころ:赤羽〜大宮

赤羽駅を出てしばらくしてトンネルを抜けると、真横に東北新幹線の線路が見えてきます。ここから大宮駅の手前までずっと並走しているので、進行方向左側の窓を見ているとすぐ近くを新幹線がひっきりなしに通っていきます。大宮方面行きの方が良く見えます。

因みに埼京線の快速列車は大宮駅からそのまま川越線に直通しますが、地下から地上に出てくる付近で左手に鉄道博物館が見えます。

他にも横須賀線・湘南新宿ラインの西大井〜武蔵小杉間では東海道新幹線との併走が楽しめます。

※首都圏の”大回り乗車”では、仮に特急料金を払ったとしても新幹線には乗れません!関西圏でかつ「米原〜京都〜新大阪間」だけは可能です。

※"大回り乗車"中に東京駅などで入場券を買って新幹線を見学できるかは駅員の判断によるので、乗り換え口の「みどりの窓口」で確認してください。

貨物列車を見たい

おすすめ路線:南武支線

見どころ:全区間(尻手〜浜川崎)

南武支線は全区間で貨物線の横を通っています*1。この線路は東京貨物ターミナルから各地に向かう列車のルートとなっているため、旅客列車が少ない割に大量の貨物列車が通過します。特に日曜の早朝は本数が多くなっています。尻手駅や浜川崎駅で”撮り鉄”してみるのも良いかもしれませんね。このほかに武蔵野線も貨物列車の多い路線として有名です。また八高線に乗り継ぐ際に降りることになる倉賀野駅でも貨物列車の発着と入れ替え作業を見られます。

※日中はわずか40分に1本と川崎市とは思えない程本数が少ないのでくれぐれも注意して下さい。

※列車の撮影は安全を第一にルールを守って楽しみましょう。

※浜川崎駅で鶴見線に乗り換えるためには一度公道を渡ります。また、鶴見駅で鶴見線に乗る際は一度専用の改札を通ることになりますが、自動改札に入れると引っかかるので脇の窓口にきっぷを見せて通って下さい。この2つのトラップがあるので浜川崎経由は初心者には難しいルートです。

国鉄型車両に乗りたい

おすすめ路線:東海道線

乗車可能区間:東京〜大船・茅ヶ崎

東海道線を通って東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子」には、昔懐かしい国鉄型車両の185系が使われています。”大回り乗車”では東京〜大船間のみ乗車することができます。引退が近づいているので早目の乗車をおすすめします。平日の朝夕には通勤ライナーにも使われています。

※臨時列車の一部は全車指定席です。大船に止まらない列車もあります。

※ライナーへの乗車にはライナー券(510円)が必要です。朝の東京行きに乗る際は乗車駅(茅ヶ崎など)で駅員に申し出て改札外の券売機で買って下さい。その時点で売り切れていた際は乗車できませんのでご注意下さい。

※「スーパービュー踊り子」は国鉄型車両ではありませんが、同じく引退が近いです。

※他にも211系(両毛線・中央線立川〜八王子間)をはじめとして複数の国鉄型車両に乗車できます。

 

最新の特急列車に乗りたい

おすすめ路線:中央線

乗車可能区間:東京/新宿〜八王子/拝島

中央線を通って新宿と山梨や長野を結ぶ特急「あずさ」「かいじ」の多くには、最新型の特急形車両E353系が使われています*2。走行音が静かで全席にコンセントやヘッドピローが備わる快適な車両です。朝夕の一部の列車は同じ料金で東京駅から/まで乗れるのでちょっとお得です。

※中央線はただでさえ人身事故が多いのに加え、これらの特急列車は山間部を走るため動物との衝突や雪などの影響を受けやすく、結果的にかなり遅れやすいです(特に新宿行き)。特急券を事前に買っていて、いざ新宿や八王子に着いてみると大幅に遅れていた!という事態になっても、2時間以上遅れるか運休にならない限り原則払い戻しはできません*3

※特急列車に乗るには最初に改札に入る前に特急券を買っておく必要があります。ただし一部の駅には改札内の券売機で買えるほか、えきねっとのチケットレスサービスなら直前まで購入できます。

気動車(ディーゼルカー)に乗りたい

おすすめ路線:八高線

乗車可能区間:高麗川〜高崎

首都圏のJRはほぼ全てが電車ですが、唯一八高線の北半分だけが気動車で運転されています。お金をかけずに気動車ならではの迫力ある走りと長閑な眺めを堪能できます。

私鉄の車両に乗りたい

おすすめ路線:埼京線相鉄直通電車

乗車可能区間:新宿〜武蔵小杉

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2019年11月に始まったばかりの直通運転で、紺色の相鉄の電車が山手線や東海道新幹線と併走します。車内は相鉄らしい広告ばかりでいつもとは違った体験ができます。

ただし昼間は30分に1本しか来ない上に全体の半分以上はJR車が使われるので、事前に相鉄車の運用を調べておくべきでしょう。とはいえダイヤが乱れやすく、すぐ車両運用が変えられるので当てになりませんが…

SL(蒸気機関車)を見たい・乗りたい

おすすめ路線:上越線

乗車可能区間:高崎〜新前橋

“大回り乗車”でもSLに乗れてしまいます。一部の週末に運行されている群馬の「SLぐんま みなかみ」のうち最初の1駅間のみですが、下り列車は早めに入線するのでゆったりと写真撮影できます。

※乗車には最初に改札に入る前に指定席券(520円)の購入が必要です。

※このほか高崎駅では横川行きの「SLぐんま よこかわ」も撮影できますが、乗車はできません

※下館駅では真岡鉄道の「SLもおか」を見ることができます(JRと同じホーム)

寝台特急に乗りたい(おまけ)

おすすめ路線:東海道線

乗車可能区間:東京〜横浜

なんと”大回り乗車"で寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」にさえ乗れてしまいます!ただし乗れるのは東京〜横浜間、わずか23分間です。幸いにも寝台料金不要の「ノビノビ座席」というフルフラットシートがあるので、特急料金のみの手の届く価格で乗車できます。

※早朝・深夜帯の運転なので行程に組み込める地域は限られます。

※「ノビノビ座席」の乗車には最初に改札に入る前に指定席特急券(1,030円*4 )の購入が必要です。寝台の利用には寝台料金も加算されるので(約6,000円〜)現実的ではありません。

※長距離利用する本来の乗客に迷惑がかからないよう、特急券はできるだけ直前に買いましょう。

※乗車時間は限られているので寛ぎ過ぎないように。

 

 

ご覧下さいましてありがとうございました。

*1:実態としては「貨物線の横を南武支線が通っている」という方が正しいかもしれません

*2:臨時には旧型の車両もあります

*3:それ以外の場合は“大回り乗車”を終えてから、みどりの窓口で手数料を引いての払い戻ししかできません。2時間以上遅れるか運休になった場合は手数料は不要ですが、その場では払い戻しができず先程と同様に外に出てからの手続きとなることが多いです

*4:時期により±200円の変動があります